いま日経平均は買い?どこまで上がるか予想 前編

日本株が強いです。2023年5月の月間のパフォーマンスは、米国の有名な株価指数であるダウ30やS&P500超えの7%を記録しています。

世界の金融市場と日本の金融市場の環境の違いを背景に、このまま日経平均は上昇し続けるでしょうか。それとも、2021のように突如失速してしまうのでしょうか。データをもとに予想してみましょう。

世界的にも株価指数などに連動するETFやパッシブ型の投資信託は大人気です。浮き沈みの大きい個別銘柄やこれから盛り上がる分野を発掘する時間も手間も割けない多くのサラリーマンの資産運用には打ってつけです。

複数国の株価指数に連動させている投資信託などもありますが、特定の株価指数に連動するものもあります。代表的なのが冒頭のダウ30、S&P500、Nasdaq100や日経平均などです。多くの人が米国の株価指数に連動するパッシブ型の投資信託に投資しています。それは、日本人の多くが国内の閉塞感から、投資するにしても日本よりも海外!とからでしょう。そんななか、日経平均が強いとのニュースがみられます。日本にとって良いニュースがあるはずもないのに、株価が上昇し続ける状況に“戸惑い”を感じていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。そこで、この記事では日経平均の強さの要因をデータから考えていきます。

本題に移る前に、最初に最も重要なことを述べますと、上昇の要因はひとつではありません。複合的な要因が作用して今の相場を作っています。ここでは最も大きな要素のひとつに焦点を絞り、今後の日経平均の動きを考えますが、これから論じることだけで株価指数が決まるわけではありません。

ということで本題に戻りますが、単刀直入に、この記事で注目するのはドル建てでみた株価です。どの国でも代表的な株価指数が存在し、その国の景気状況や国際関係を反映して変動しているわけですが、日本人が日本株に魅力を感じないにもかかわらず、日本の株価が上昇しているのは、紛れもなく国際関係を反映しているからなのです。

その国際関係の代表格こそ、今回の焦点である為替(ドル建てでみた株価)ということになります。世界の投資家は自国通貨建てでみた各国の投資対象の価格をみて、ポートフォリオのバランスをとっていきます。米ドルとの関係でみたとき、変動相場に移行してからのドル円相場において現在の1ドル140円近辺というのはかなりの円安ドル高水準です。実は、米ドルとの関係のみならず、多くの通貨との関係で円は現在安値圏にいます。つまり、他国通貨建てで考えた日本株は安く映るということになります。割安だったら買いたいと思いますよね。これが現在の日経平均の押し上げ要因の主要因のひとつというわけです。

実際に、株価指数の変動をコロナ直前の2020年1月6日から2023年6月9日までの変動のなかでみてみましょう。2020年1月6日の株価指数先物の終値を100として、ドル建てでみた各株価指数がどのように変動したかを示しています。

Nasdaq100が無類の強さをみせつけていますが、日経平均も2020年10月から2021年6月まで比較的強かったのがわかります。その後、徐々に沈み、現在上昇基調でDow30と同水準という具合です。投資界隈でベンチマークとされるS&P500と比較するとまだ安値ですね。

米国だけでなく、欧州とも比較してみましょう。欧州の代表的な株価指数ユーロストックス50の先物との比較では、日経平均が上回っている期間が長いです。相対的にパフォーマンスがいいことがわかります。

さて、先ほど「他国通貨建てで考えた日本株は安く映るということになります。割安だったら買いたいと思いますよね。これが現在の日経平均の押し上げ要因の主要因のひとつ」と書きました。安いからと言って本当に買いが入っているのか。筆者の妄想でないのかと思われるかもしれません。

それでは実際に、財務省の「対外及び対内証券売買契約等の状況」という統計で国内・国外の取引状況を確認してみましょう。日経平均株価(先物)は4月はじめの27000円付近から6月9日の32000円超まで約15%上昇していますが、その間、海外からの投資額が爆発的に増加しています。リーマンショック前の2005年からみても、投資額は最も大きいです。つまり、2023年4月からの日経平均の上昇は海外からの買いが主役だったということになります。繰り返しになりますが、これほどまでに大きな投資を呼び込んでいるのは、外貨建てでみた日本株が相対的に安いからと言えるでしょう。

しかし、鋭い方からは「でも、去年こそ1ドル151円まで行ったのに、日経平均は今よりも安かったのではないか」との声が聞こえてきそうです。それでは、なぜ2023年4月からなのか?そして、日経平均はどこまで上昇するのか?後編で論じていきましょう。

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“いま日経平均は買い?どこまで上がるか予想 前編” への1件のコメント

  1. […] まず、「いま日経平均は買い?どこまで上がるか予想 前編」での積み残しです。2022年は1ドル151円まで進んだのに2022年には日経平均が買われずに、なぜ2023年4月に入ってから日経平均が買われるようになったのか。その答えは金融政策の各国間のスタンスの差異です。 […]

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